2013年10月24日

ウイングマン(3)

さあさあ、スーパーカー編です。

スーパーカーにはド派手なリアウイング!……なんてイメージがあるかもしれませんが、流麗なシルエットを崩さない為にリアウイングのない車が多かったりします。
その中でも80年代に流行ったのがコチラ。

ケーニッヒウイング.jpg


装着されている車種はテスタロッサですが、これは一世を風靡したスーパーカー系ハードエンジンチューナーであるビリー・ケーニッヒ氏率いる「ケーニッヒ・スペシャルズ」(以下KS)のリアウイング。
KSでは80年代にテスタ・328・348・ディアブロ・ベンツSLなどのスーパーカーをワイドボディにしてエンジンはツインターボでチューニング。テスタなどは80年代にも関わらず1000psなんてトンデモないパワーを叩きだしていて、スーパーカーコレクターでもおいそれと手の出せないシロモノだったのです。画像のリアウイングをKSコンプリートカーに装着しているのをコピー品などで真似しだしたのですが、着けていたのはスーパーカー系よりはヤン車が多かった(笑)学生時代のバイト先でも先輩が20ソアラに着けてましたね。


次にアーチ型巨大ウイング。
これぞスーパーカーと言わんばかりの存在感でして、ボディ幅とウイング幅が同寸法という国産車の後付けなどでは真似できないウイング。そりゃそうですよ、ウイングとボディが一体でトランク無しという前提で無いと出来ません。国産ではZ32がいい線いけてましたかね。リアゲートがボディ幅とほぼ同じで基礎ボディと別離してますから、ゲート全体が持ち上がる構造なんですよね。80スープラやFD3Sはボディ剛性を確保する為、リアウインドウ+αが持ち上がる構造でした。
このアーチ型はバブル真っ只中にフェラーリF40で有名になり、現在のスーパーカーでも採用されています。しかし悲しいかな、ウイングにかかるダウンフォースとしては主流のGTウイングに分があるので、ロードバージョンではアーチ型、サーキットバージョンではGTウイングだったりするんですね。見た目のカッコよさなら断然アーチ型ですかね。
主なアーチ型リアウイングを装備した車↓

f40.jpg
フェラーリF40


Koenig348.jpg
ケーニッヒF48(348ベース)


f50.jpg
フェラーリF50


ケーニッヒ・テスタ.jpg
ケーニッヒ・コンペティション(1000psテスタ)


mc12.jpg
マセラティMC12



続きましてはボディ一デザイン一体型リアウイング。
これはデザイナーさんの感性なのか、派手なウイングを付けたくないという気持ちの表れなのか。一体感はありますが迫力という点ではアーチ型に敵わない。
ボディーデザイン一体型リアウイングの主な車種↓


NSX.jpg
ホンダNSX


959.jpg
ポルシェ959


カレラgt.jpg
ポルシェ・カレラGT


918スパイダー.jpg
ポルシェ・918スパイダー


エヴォーラ.jpg
ロータス・エヴォーラ


xj220.jpg
ジャグワーXJ220



そして最近の圧倒的主流はリアウイング無し。しかしウイングの代わりにアンダーディフューザーを採用するようになりました。もともとはレーシングカーでの空力学でしたが一般公道車でも採用されるようになってきました。リアウイングで車体を路面に押し付けるより、ボディ下面をフラットにして各種ダクトで前部からの空気を整流する方がアドバンテージがあります。しかし完全にウイング無しではなく一定の速度からウイングがせり出してくるようになっています。もともとは964型911が採用していたんですけどね。ちょっと前までは単純にフラップが出てくるデザイン性の無いものでしたが、最新スーパーカーはここらへんにもデザインと性能を両立させたウイングを装着してきました。


アヴェンタドール.jpg
ランボルギーニ・アヴェンタドール


テールランプ上部分全体が持ち上がりバットマンウイングのようです。


ラ・フェラーリ.jpg
ラ・フェラーリ


こちらは持ち上がるのではなく角度が上がる形で普段は水平です。前述したポルシェ918スパイダーも同じタイプ。


p1.jpg
マクラーレンP1


これもテールランプ上部が持ち上がる形ですがウイングがお椀のように中心部がえぐれていて、えぐれ部分に空気を当てる事で大幅なダウンフォースを稼いでるようです。マクラーレンのプレスリリースでは250km時に600kgのダウンフォースが掛るらしくまさにF1直系ともいえる機能パーツ。仮に20kg/mmのスプリングをリアサスに組み込んでいれば超単純計算で600kgのダウンフォースを受けると車高が3cm下がる事になりますね。


スーパーカーは唯一無二の存在でもあるのでリアウイングもその車種にしかないデザインのものが多く見られます。


カウンタック.jpg

キング・オブ・スーパーカーの呼び声も高いカウンタック。このリアウイングはスーパーカーブームの当時はスゲェ!と思ったけど、今見るとどう考えても空力効果が期待できるデザインではありませんね。だって3DGTウイングとデザインが前後反対なんだもん(笑)むしろ浮いちゃうんじゃないかな。でもカウンタックはキングですから速さは二の次。カッコイイから良いんです。


images.jpg

パガーニ・ゾンダ


小型のウイングが左右に付いていてウイングの無い真ん中からはエンジン熱を排出する排気路になっています。このゾンダのサーキットバージョンではやはり1枚羽のGTウイングになっています。2つのウイングそれぞれが角度調整できてメインウイング後端にはガーニーフラップもついていますね。


images.jpg

フェラーリFXX


エンツォ・フェラーリのサーキット・バージョンですがゾンダのような2分割小型ウイングが装着されています。FXXに関してはアップデート版でもGTウイングへの変更はなし。まぁ元々サーキット専用車なので。仮りの話ですが日本の車検ではこのウイングは確実に通りません。だってボディよりもウイングがはみ出てるんだから。


imgres.jpg
フェラーリ599XX


12気筒FRフェラーリ・599GTBフィオラノのサーキットバージョン。ハッチ部分から角の様にニョキッと出ているウイングが確認できるでしょうか。厳密に言えばリアウイングではなくルーフウイングでもなくピラーウイングですかね。(キャビン部の横から見た柱部分をピラーと言う。)
これのアップデート版ともいえる599XX・EVOではピラーウイングは無くなり巨大なリアウイングが装着されました↓

images.jpg



そして最後に今、最も進化したリアウイングは‥‥(個人的に)

ts030.jpg



これは反則技ですがロードバージョンも存在しないプロトタイプ・レーシングカー。ル・マンとかでビュンビュン走っているヤツですが、それのトヨタTS030(LMP1クラス)。通称トリプル・リアウイングでライバルのアウディ側から「あれはレギュレーションに反してる」と言わしめた程。まぁ結局は違反でなくアウディも真似する事になりますが。
キャビンから伸びるセンターウイング(トサカまたはモヒカン)に繋がる形でセンターウイングがあり、センターウイングをサポートするのがアンダーディフューザーの左右から伸びるサブウイングと、エライことになっています。これを超えるリアウイングは生まれてくるのでしょうか。