2012年07月22日

VS熱(2)

さて、前回の続きですわね。

前回は、厨房内における熱とのジレンマを綴りました。
しかしながら、食品を扱い、それをお客さんが口にするのですから、温度上昇によって起こり得る、食中毒を防ぐためにも、厨房が涼しいことには多大なメリットを築けます。
よく缶詰商品などで「冷暗所にて保存」と記されているものが多数なのですが、40℃を越える空間では、常温保存が効くものがダメになったりします。
当たり前ですが、40℃の空間は常温ではありませんね。

涼しい厨房を作り上げる前に、どこの厨房でも熱との闘いなのか?と言われれば
涼しい厨房で代表的なのは、お寿司屋さん。
そりゃ、40℃の空間でスシ握ってたら、寿司が菌で覆われてしまいます。
パン屋さんとケーキ屋さん(スイーツ店)なんかも涼しい方かな。
暑い空間では、メレンゲも立たないし生クリームも固まりませんからね。
ただ上記に挙げた業種の調理場が全て涼しいのでなく、寿司屋さんなら裏方は暑いです。

効率よく熱気を抜く事が、涼しい厨房を作る条件のひとつですが、では理想の換気扇の設置法とは。
それはガス台などの熱源直ぐ側に、壁に穴を開ける形で換気扇を設置する。
これがベスト。

しかし、この換気扇設置法は、テナントを借りて営業するのでは、ほぼ無理でしょう。
火が発生する装置の正面には耐火ボードを設置しないと、消防署からの許可がおりません。
なので、やるとすれば、広い厨房空間でいて、且つある程度のガラス張り空間にして(クッキングスクールみたいに)一部のガラス窓の代わりに換気扇を設置する。
これなら許可が下りる。

ですが、どんな店でも裏方(厨房を含む)というのはスペースとの闘い。
例えば、靴屋さんでゆとりをもった商品陳列をしていても、倉庫はギッチギチ。
こんなのは、よくある事。
なので、前述したような調理空間を作り出すには、半径50M以内にほとんど物件(住宅含む)がなく、イチから店としての建物を作らないと出来ない。
つまり、よっぽどの資本がなければ、作れないということ。
仮に無理して作っても、店舗建築を含む開業費を返済しなければいけませんから、その価格は商品に上乗せせざるを得ません。
商品価格が上乗せされれば、原材料費率は少なくなり、そんな価格構成でも文句がでない人、ようするに富裕層向けの店でないと無理だということ。
まぁこの現実というのは国内のみならず、海外でも共通ですけどね。
フランスなんかの3つ星リストランテは、前述したようなスタイルの厨房が見受けられますね。
やっぱり格差は、どんな業種であれ、いかんともしがたい現実ですなぁ。

最後に、では過酷な厨房のベストは!
石窯を備えた厨房もかなりのモンですが、ボクが知る限りでは、ウナギ屋さんが最も熱い調理場では。
あれだけの炭焼きで、常にうちわで火を起こしてるんですから、ボクが体感した中では(働いたワケではないけど)最強でしたね。
サウナの中で調理している、という表現が大袈裟ではないです。
posted by 41 at 16:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 料理あれこれ
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