2013年01月13日

鉄(アイアン)

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昨年冬の番組改編期に「アイアンシェフ」が金曜ゴールデンに組まれました。
これはかつての「料理の鉄人」のオマージュであり、内容もさほどかわりはありません。
ですが、即興で編み出す料理のアイディアだったり作業の素早さなどは非常に勉強になります。

実は「料理の鉄人」時代は全く見てませんでした。
その頃はボクも料理業界に飛び込んだばかり(勿論、専門学校なんか行ってない)
先輩達からは「オマエも見て勉強しろ!」と言われていたもんです。

なのに全く見なかったのは見ても理解できなかったから。
なんせ鍋も振る事なくひたすら皿洗いと仕込みに忙殺される毎日でしたから料理自体を作っていなかった。
料理を作ってもいないのに鉄人レベルの料理を見たところで何の実感も湧きません。
「あぁ美味しそうだなぁ」と思う程度。

当時は「鉄人」放送後の翌日は先輩達の会話は鉄人ネタに終始する。
「オレならああしてこうして」
「あの内容なら昨日は鉄人の負けだよ」
なんて会話に華をさかせていたのに、当時は聞く耳もたなかった。
だって分かんないんだもん。

バイクも乗った事無くクルマの知識も皆無な人間に
「F20CのピストンスピードはF1に匹敵するほどだってよ」
「2JZはノーマルで600psに耐えられるブロックらしいぞ」
「ブリッジ+TO4Sとペリ+T78ならどっちがいいかな」
こんな会話したって意味分かんないですよね。
(これ読んでる人の大多数が何言ってるかワカランでしょうけど)
当時はそんな感じでしたよ。

でも時は経ち自分で店を開くようになった今では面白くてしょうがない。
あのコスチュームだけは何とかならないものかとは思うけど、それにフィルターをかけて見る事で鉄人やノミニー(挑戦者)の仕事ぶりや料理のひらめきなどはホントに素晴らしいと実感する。

あの勝負の一番の見どころは全く下準備がされていない状態から、1時間という限られた時間の中でテーマ食材にのっとったコースを完成させるところ。
料理業界で働いた事のない一般視聴者からすれば特に疑問ももたないかもしれないけど料理店ではそんなことはまずありえない。

だが鉄人レベルをもってしても審査員分のコースを1時間で完成させるのはやはり無理で、アシストを2名の助手が行う。
実はこの助手達のスキルも相当に高い。
全ての料理法に精通していなければとても勤まらないし、さらに鉄人の注文には絶対に失敗してはいけないというプレッシャーとも戦わなければなりません。
鉄人も部下が何も言わずにヘルプする店と違い、面識のない人間に的確な指示を与えなければいけないから人を上手く使う事も要求されます。

他には撮影スタッフもかなり神経を使っているのが画面を通して伝わってきます。
調理しているところをアップでとらなければいけないが、料理人側はいろんな料理を同時進行しているから1時間常に動いている。
当たり前だが、料理の邪魔はしてはいけないし動線(作業する人が動くライン)を塞いでもいけないわけだからカメラマンとADも常に動きっぱなし。
特にADはカメラのコードを常に巻きとっていかないと料理人が躓いてしまうから腰を下ろした体勢で巻き取り作業に追われている。
腰痛持ちのボクにはその映像だけで腰が痛くなってくる。

テレビを見る時は正面から見ているけど、キッチンスタジアムをバーチャル的に俯瞰することで色んな面白さが分かってくる。
これも料理をずっと続けてきたからようやく分かるようになった事だから、一般視聴者は相当に料理に精通もしくは興味がなければ面白さは半分にも満たないのではないでしょうか。
それを裏付けるかどうかは別として視聴率がフジテレビ金曜ゴールデンとしては大苦戦。
このままでは春の改編期に終わってしまうのではないかと危惧している。

それと料理対決の勝敗は見ていません(それが大事だとは思うけど)
勝負なんだからそりゃあ白黒ハッキリさせるべきだけど、味覚なんて個人個人で違うんだから、そんな事どうでもいい。
人間の好みだってイケメン好きもいればゴリラ顔が好きな人もいる訳で。
ポルシェ911だって子供の頃はカエルにしか見えなかったけど、大人になって機能美ということが理解できてくると物凄くカッコイイ。

てことで、みなさん。
アイアンシェフを春に終わらせない様に是非見て下さい(見れない人は録画も)
ん?これって今話題のステマには引っかからないよね?
posted by 41 at 16:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 料理あれこれ
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